ハードコアモードの本当の意味

ハードコアモードの本当の意味

普通ゲームってのは、やり直しがきくってものと相場が決まっています。いいところでセーブ、失敗したらロードしてもっかいやり直します。

リアル人生でもそれができればいいなーと思うことは何百回とありますね。できたらめちゃくちゃハッピーな人生が送れることでしょう。いや・・・まずリセットしたいです。

・・・まーともかく、死んだら人生終いです。あの世行きです。

で・・・なぜかゲームにも、死んだら終いってモードがあったりします。
それがハードコア(HARDCORE)モードと呼ばれるものです。

マインクラフトにもありますがね・・・。

そもそもなんでハードコアモードなんてもんが実装されると思います?

 

実はこれ、中毒患者を作るためのモードです。

よく○○廃人・・・という言葉が使われますが、私としてはちょっと意味合いが違うと捉えてて、どちらかというと「人間やめますか?」のCMでおなじみの白い粉、一度やったら二度とやめられない、そーいうレベルの中毒という意味です。

で、私は以前、激烈な中毒患者だったときがあります。

それが『私のゲーム遍歴』で触れた「Diablo2」です。今はその続編「Diablo3」が発売されてて、ついこの間、拡張パックが発売されました。
まだ購入はしてませんが、いずれ拡張パックを買う予定です。

私はハードコアモードのせいで、実に7年も中毒患者だったのです。

さて、このDiabloってゲームは、簡単に言うと「超強いモンスター倒してレア装備集めてキャラ育成する」ハックアンドスラッシュ系と呼ばれるアクションゲームです。

育成するのも大変だしアイテムドロップ率も低い。敵も超強い・・・ていうよりゲームバランス狂ってんじゃねーかってほどの強さです。育て上げるのにハンパない時間と労力を要します。
それが、ほんの1回のクリックミスで即死したり、下手すりゃサーバーラグで理不尽に死んでたりします。

死ぬとすべてパーです。キャラは電子の海に消失です。

こんなんなったら普通は立ち直れません。ベッドにルパンダイブして枕に顔をうずめて泣きます。Youtubeで動画検索したらそーいう動画が観られます。おもしろいですよ。

でもここからが恐ろしいところです。

しばらくすると、何故かまたハードコアモードで始めちゃうんです。「次はがんばるぞー!」とか「ぜってー死なねー」とか、そーいう意気込みがわくでもなく、ただムクムクっとゾンビのごとく起き上がって再開します。

初めてロストしちゃった人でさえ「もうやらん!」といってノーマルモードでやり直しても、3日後ぐらいにはハードコアモードで無意識にやり直しちゃいます。

もう残念ながら立派なジャンキーです。引き返せません。

 

さて、覚せい剤やアルコール、ギャンブルなどのいわゆる依存症とよばれる症状になるには、2つの条件が必要だってことを知ってますか?

1つは、アドレナリンがでるほどの興奮状態が起こることです。

スポーツでも何でもいいですが、勝負事に勝ったらめちゃくちゃうれしいですよね。そのとき脳内にアドレナリンがドバーってでます。この興奮状態のことです。しかし、実はこれだけでは中毒にはなりません。

それがもう1つの条件、壮絶な飢餓感が生じることです。

よくTVなんかでクスリが切れた人が暴れたり幻覚が見えたりするシーンありますよね。アレです。ギャンブルで大金かけて大負けして全部失うとか、そーいうドン底の喪失感が必要なのです。

で、中毒ってのは『興奮と飢餓の落差の激しい状態が定期的に発生すること』らしく、これをゲームで作り出してるのがハードコアモード・・・というわけです。

普通にゲームしてるだけでも喜んだりがっかりしたりすることはよくあります。
これを定期的に味わい続けるのが、いわゆるゲーム依存症と呼ばれるものだと思います。軽度の中毒ってやつです。

マインクラフトの普通プレイでも「5分後に戻れずにアイテム全ロスト」とかでガックシしても、しばらくしたらまたコツコツ掘り始めるでしょ。あれも軽度ではありますが同じ症状です。苦労して荷物いっぱいに集めた満足感を、一瞬で死んで失うことで発生する喪失感。これの繰り返しみたいなもんです。なんとなくわかりますかね?

『ゲームは1日1時間』を守ってれば大丈夫だとは思いますがね・・・。

 

ハードコアモードってのは、それでプレイすることが自慢だとかいう単純なものではなく、中毒患者を作るためのゲーム会社の策略であるということを知っておくと、足を踏み外さずにいい人生が送れると思いますよ。

踏み外した本人が言うんです。間違いありません。